加藤純一氏が代表を務めるeスポーツチーム「MURASH GAMING(ムラッシュゲーミング)」のVALORANT部門が、2026年5月16日にATEコーチとの契約解除を正式発表しました。発端は2026年5月13日に行われた公式戦での「試合中の全体チャット」問題。対戦相手であるWEC Cの選手から強い苦言が相次ぎ、SNS上で大きな波紋を呼んでいました。
この記事では、何があったのか時系列で整理し、ルール上の問題点、選手たちの反応、そしてATEコーチ本人のコメントまで詳しくまとめます。
何があったのか?問題の試合の概要
問題が起きたのは、2026年5月13日(水)に開催された「VCT Challengers Japan 2026 Split 2 Advance Stage」Day3の試合です。
- 対戦カード:WEC C vs MURASH GAMING
- 試合結果:WEC Cが2-1で勝利
- 問題の行為:MRG所属のATEコーチが、試合のラウンド進行中にゲーム内の「全体チャット」へメッセージを書き込んだ
共有されているスクリーンショットによれば、ATEコーチが入力した文字列は「+*5712480/」「]」「489.+」など、一見すると意味不明な数字や記号の羅列でした。しかし問題はその内容ではなく、ラウンド中にコーチが全体チャット欄に書き込んだ行為そのものです。
全体チャットは対戦相手にも視認可能な状態であり、WEC C側の選手たちはプレイ中にこの書き込みを目にすることになりました。
WEC C選手たちが続々と苦言「気が散る」「クソイライラした」
試合後、WEC Cの選手たちが X(旧Twitter)上で次々と不快感を表明し、トレンド入りするほどの騒動になりました。
主な選手の投稿内容は以下のとおりです。
- tarkun選手:「ATEさん試合中にチャットするの止めてください。気が散ります」
- RONY選手:「試合中コーチが話しかけてきて怖かったけど勝ち切れて良かった!」
- Cazkla選手:「クソイライラしたわ」
- distinct選手:「正直これに関しては結構気が散りました。ラウンド中はやめてほしい」
プロの試合は1ラウンドのちょっとした集中力の差が勝敗を分けるシビアな世界。対戦相手の集中を妨げかねない行為として、強い批判が集まったのは当然と言える状況でした。
VCJ2026のルール「マッチコミュニケーション」に違反の可能性
今回の行為は、ただの「マナー違反」では済まされません。VCJ2026の大会ルール 13.2「マッチコミュニケーション」に抵触する可能性が指摘されています。
ルールでは、コーチとプレイヤーのコミュニケーションは以下のタイミングに限り許可されています。
- エージェント/マップ選択プロセス
- タイムアウト
- ハーフタイム
- マップの合間
それ以外のタイミングで、コーチとプレイヤー間、または試合に関係しない人物とのコミュニケーションを、大会運営者の許可なく行うことは禁止されています。違反者には制裁措置が科される場合があるとも明記されています。
今回のケースはラウンド進行中の全体チャット書き込みであり、しかも対戦相手側にも見える状態だったため、明確にルール違反と判断される可能性が高い事案でした。
加藤純一代表「Riot Gamesから厳重注意、次やったらチームとして罰則」
事態を重く見たMURASH GAMING代表の加藤純一氏は、配信内でRiot Games側から厳重注意を受けたことを明らかにしました。さらに「次やったらチームとして罰則」とも発言しており、組織としても看過できないレベルの問題であったことが伺えます。
そして2026年5月16日、加藤純一代表名義でMURASH GAMING公式から正式声明が発表されました。
MURASH GAMING公式声明の要点
公式声明(2026年5月16日付)で発表された内容を要点でまとめます。
1. 事実関係の認定
弊チームVALORANT部門所属コーチが、試合中に大会規約に抵触する不適切なチャットを行う事案が発生したことを認め、WEC C選手・関係者・大会運営・競技シーンに関わるすべての人へ深くお詫び。
2. WEC Cへの直接謝罪
2026年5月16日、WEC Cに直接時間をもらい、本件に関する経緯説明および正式な謝罪を実施。WEC C側にはMURASH GAMINGの謝罪を受け入れてもらったとしています。
3. ATEコーチとの契約解除を決定
代表および部門責任者によるATEコーチへの聴取を実施し、事実確認および協議を重ねた結果、本日付(2026年5月16日)でATEコーチとの契約を解除することを決定。
4. 組織としての責任を認める
「本件はコーチ個人の行動に起因するものではあるが、所属する選手・コーチ・スタッフの行動を管理し、プロとしての基準を徹底することは組織の責務であり、それを果たせなかったことはMURASH GAMINGの運営体制の問題である」と明言。全部門を対象に行動規範の再整備と管理体制の見直しを実施するとしています。
5. 競技への姿勢
「プロの競技シーンは、対戦相手がいて初めて成り立つもの」「相手の集中を妨げうる行為を試合中に行うことは、対戦相手への敬意を欠くだけでなく、競技そのものへの冒涜」とまで踏み込んで、強い反省の弁を述べています。
声明は「MURASH GAMING代表 加藤純一」の署名で締めくくられました。
ATEコーチ本人のコメント
契約解除を受け、ATEコーチ本人もX(@ate_viii)でコメントを発表しました。要点は以下のとおりです。
- チームの発表通り契約解除となったことを認め、多大な迷惑をかけたことを謝罪
- MURASH GAMINGで過ごした3年半は自身にとって非常に大きな経験となった
- 支えてくれたチームメンバー、スタッフ、そして加藤オーナーへの感謝
- 今回の件を真摯に受け止め、今後は自身の行動を見つめ直し改善に努めていく
ATEコーチは2023年1月のMURASH GAMING発足時からコーチを務めており、途中FENNELへのレンタル移籍を挟みつつも、長らくMRG VALORANT部門の中核を担ってきた人物でした。それだけに、今回の幕切れは多くのファンにとってもショッキングなものとなっています。
今回の騒動から考えること
今回の一件は、単にコーチ個人の軽率な行動という枠を超えて、eスポーツが「プロスポーツ」として成熟していくうえで避けて通れない論点を浮き彫りにしたと言えます。
- 試合中の集中力という「目に見えない選手の財産」をいかに守るか
- コーチング行為とルールの境界線をどう徹底するか
- 組織として選手・スタッフの行動をどこまで管理する責任があるか
MURASH GAMINGは複数の競技部門を運営する組織であり、今後は全部門を対象とした行動規範の再整備が進められるとしています。VCT Challengers Japanの後半戦に向けて、再発防止と信頼回復にどう取り組むかが注目されます。
まとめ
- 2026年5月13日、VCJ2026 Split 2 Advance Stageの WEC C vs MURASH GAMING戦で、MRGのATEコーチが試合中に全体チャットへ書き込み
- WEC C選手から「気が散る」「ラウンド中はやめてほしい」など強い苦言
- VCJ2026ルール13.2「マッチコミュニケーション」違反の可能性
- Riot Games側から厳重注意、加藤純一代表は「次やったらチームとして罰則」と発言
- 2026年5月16日、MURASH GAMINGがATEコーチとの契約解除を正式発表
- ATE本人もXで謝罪、3年半のMRG生活への感謝を表明
eスポーツの競技シーンに関わるすべての立場の人にとって、考えさせられる事案となりました。今後のMURASH GAMINGの動向、そしてATEコーチの今後にも注目が集まりそうです。
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